成田空港発フィリピン・セブ行きのユナイテッド航空機が関西空港に12日夜、緊急着陸し、乗客らが脱出用シューターで避難したトラブルについて、国の運輸安全委員会は15日、出火を示す警告表示が出た貨物室には何かが燃えた痕跡はなかったとの調査結果を明らかにした。装置の誤作動の可能性も含めてさらに調べるという。
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国土交通省大阪航空局によると、同機がフィリピンに向けて飛行中に、貨物室の出火を示す警告が表示されたため、目的地を関西空港に変更。着陸後、乗客・乗員計約140人が脱出用のシューターで機外に逃れた。その際、5人が打撲などのけがをした。国交省は、深刻な事故につながる恐れがある「重大インシデント」に認定。13日から15日まで航空事故調査官2人を派遣し、操縦士、客室乗務員らへの聞き取りや機体の損傷の状況などの調査をした。
貨物室については、消防の調査でも燃えた痕跡は確認されなかった。運輸安全委員会の調査官が機内を確認したところ、目視では、燃焼の痕跡は無かったという。同機のフライトレコーダーも解析して、聞き取り調査の結果と照合しながら、調査を進めるという。